○上郡町空き家等の適正管理及び活用促進に関する条例
平成28年3月11日
条例第4号
目次
第1章 総則(第1条~第6条)
第2章 空き家等の適正管理及び活用促進に関する施策等(第7条~第19条)
第3章 空き家等対策協議会(第20条~第24条)
第4章 雑則(第25条~第27条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、空き家等の適切な管理及び活用促進を図るため、町及び所有者等の責務を明らかにするとともに、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)第4条の規定に基づく空き家等に関する対策の実施その他空き家等に関する措置について、必要な事項を定めることにより、防災、防犯、衛生、景観等の町民の生活環境を保全し、もって魅力あるまちづくりの推進に寄与することを目的とする。
(1) 空き家等 町の区域内に存する建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
(2) 特定空き家等 そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空き家等をいう。
(3) 所有者等 空き家等の所有権を有する者又は相続人その他管理すべき者若しくは占有する者をいう。
(4) 町民等 次に掲げる者及びこれに準ずると認められる者をいう。
ア 町の区域内に居住する個人
イ 町の区域内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体
ウ 町の区域内に存する事務所又は事業所に勤務する個人
エ 町の区域内に存する学校に勤務又は在学する個人
(当事者間における解決の原則)
第3条 特定空き家等に関し生ずる紛争は、当該紛争の当事者間において解決を図るものとする。
(所有者等の責務)
第4条 空き家等の所有者等は、周辺環境に悪影響を及ぼさないよう、自らの責任において空き家等の適切な管理に努めなければならない。
(町民等の役割)
第5条 町民等は、特定空き家等の増加防止を図るため、一人一人が主体的に、及びそれぞれが協力し、安全で良好な生活環境の確保に努めるとともに、町がこの条例に基づき実施する施策に協力するよう努めるものとする。
2 特定空き家等であると疑われる空き家等を発見した町民等は、速やかに町にその情報を提供するよう努めるものとする。
(町の責務)
第6条 町は、特定空き家等の発生を未然に防止するとともに、空き家等の適切な管理及び活用促進がなされるよう、必要な施策を実施するものとする。
第2章 空き家等の適正管理及び活用促進に関する施策等
2 町長は、前項の規定により認定をしようとするときは、あらかじめ上郡町空き家等対策協議会の意見を聴くことができる。
(勧告)
第9条 町長は、前条の規定による指導等をした場合において、なお当該空き家等の状態が改善されないと認めるときは、当該指導等を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。
(命令等)
第10条 町長は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由なくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。
2 町長は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
3 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日以内に、町長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
6 第4項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
3 町長は、前2項の代執行をしようとするときは、あらかじめ上郡町空き家等対策協議会の意見を聴かなければならない。
(公示等)
第12条 町長は、第10条第1項の規定による命令をした場合においては、標識の設置その他規則で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
(適用除外)
第13条 第10条第1項の規定による命令については、上郡町行政手続条例(平成8年条例第21号)第3章(第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。
(緊急安全措置)
第14条 町長は、空き家等の状態に起因して、人の生命、身体又は財産に危害が及ぶことを回避するため緊急の必要があると認めるときは、これを回避するために必要な最小限度の措置を講ずることができる。
2 町長は、前項の措置を講ずるときは、当該空き家等の所在地及び当該措置の内容を当該空き家等の所有者等に通知(所有者等又はその連絡先を確知することができない場合にあっては、公告)をしなければならない。ただし、緊急かつやむを得ないと認められるときは、この限りでない。
3 町長は、第1項に規定する緊急安全措置を講じたときは、当該緊急安全措置に要した費用を当該空き家等の所有者等から徴収することができる。
(所有者等による空き家等の適切な管理の促進)
第16条 町は、所有者等による空き家等の適切な管理を促進するため、情報の提供、助言その他必要な援助を行うよう努めるものとする。
(空き家等及び空き家等の跡地の活用等)
第17条 町は、空き家等及び空き家等の跡地(土地を販売し、又は賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するものを除く。)に関する情報の提供その他これらの活用のために必要な対策を講ずるよう努めるものとする。
(税制上の措置等)
第18条 町は、空き家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資するため、必要な税制上の措置その他の措置を講ずるものとする。
(関係機関との連携)
第19条 町は、特定空き家等による危険を回避するために必要があると認めるときは、町の区域を管轄する警察その他関係機関に対し、必要な協力を要請することができる。
第3章 空き家等対策協議会
(設置)
第20条 法第7条の規定に基づき、上郡町空き家等対策協議会(以下「協議会」という。)を置く。
(所掌事項)
第21条 協議会の所掌事項は、次のとおりとする。
(1) 第7条第1項の規定による特定空き家等の認定の基準について、諮問に応じ審議すること。
(4) その他町長が必要と認めること。
(組織)
第22条 協議会は、次に掲げる者のうちから町長が委嘱する10人以内の委員をもって組織する。
(1) 学識経験者
(2) 公募に応じた町民
(3) その他町長が必要と認める者
(委員の任期)
第23条 協議会の委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(委任)
第24条 前3条に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第4章 雑則
(空き家等の所有者等に関する情報の利用等)
第25条 町長は、固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって氏名その他の空き家等の所有者等に関するものについては、法第10条第1項の規定により、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
2 町長は、法第10条第3項の規定により、関係する地方公共団体の長その他の者に対して、空き家等の所有者等の把握に必要な情報の提供を求めることができる。
(立入調査等)
第26条 町長は、町の区域内にある空き家等の所在及び当該空き家等の所有者等を把握するための調査その他空き家等に関し、この条例の施行のために必要な調査を行うことができる。
3 町長は、前項の規定により当該職員又はその委任した者を空き家等と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該空き家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。
4 町長は、第2項の規定により当該職員又はその委任した者を必要な場所に立ち入らせようとする場合で必要があると認めるときは、専門的な知識を有する者その他必要な者を同行させ、意見を求めることができる。
5 第2項の規定により空き家等と認められる場所に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
6 第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(委任)
第27条 この条例の施行に関し必要な事項については、町長が規則で定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。