○上郡町議会議員政治倫理条例
平成21年12月15日
条例第25号
(目的)
第1条 この条例は、町政が町民の厳粛な信託によるものであることを深く認識しその負託に応えるため、担い手たる町議会議員(以下「議員」という。)が、町民全体の奉仕者として、町民の信頼に値する人格と倫理性を持つよう求められていることを自覚し向上に努めるとともに、自己の地位による影響力を不正に行使して自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定め、町民も町政に対する正しい認識と自覚を持ち、共に公正で開かれた民主的な町政と文化の発展に寄与することを目的とする。
(議員の責務)
第2条 議員は、町民全体の奉仕者として町政に携わる権能と責務を自覚し地方自治の本旨に従って、その使命の達成に努めなければならない。
2 議員は、町民の信頼に値する倫理性を自覚し、町民に対し自らすすんでその高潔性を明らかにし、公共の利益を実現する自覚を持ち、その地位による影響力を不正に行使するような働きかけを行ってはならない。
(宣誓書の提出)
第3条 議員は、この条例を遵守する旨の宣誓を行うものとし、規則に定める宣誓書を上郡町議会議長(以下「議長」という。)に、提出しなければならない。
2 議長は、前項の規定により提出された宣誓書を保管しなければならない。
(政治倫理基準)
第4条 議員は、第1条の目的を達成するため、政治資金規正法(昭和23年法律第194号)、公職選挙法(昭和25年法律第100号)、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)等の公職にある者に対して適用される法律、その他関係法令のほか、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 町民全体の奉仕者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと。
(2) 町民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、その職務の公正を疑わせるような金品等の授受の行為をしないこと。
(3) 町(町が設立した公社及び町が資本金その他これに準ずるものを出資している公益社団法人若しくは公益財団法人を含む。以下同じ。)が行う公共工事、業務委託及び物品購入(以下「工事等」という。)に関して特定の業者の推薦又は紹介をするなど関与をしないこと。
(4) 町が行う公共工事の下請工事に関して特定の業者の推薦又は紹介をするなど関与をしないこと。
(5) 公正な人事を図るため、町職員(臨時及び嘱託職員等を含む。)の採用、昇格、異動に関して推薦又は紹介するなど関与をしないこと。
(6) 町職員の公正な職務執行を妨げ、その権限若しくはその地位による影響力を不正に行使するような働きかけをしないこと。
(7) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の規定の趣旨を遵守し、議員、その配偶者若しくは2親等以内の親族が経営する企業及び議員がその業務について実質的な支配力を及ぼしている企業に、町との請負契約、下請け工事、物品の納入及び業務の委託に関わる契約の自粛を求めること。
(8) 町が補助や助成している団体又は町の行政に直接関連する団体等の役員に就任しないこと。
(9) 政治活動に関して特定の個人、業者、企業、団体等から政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けないこと。後援団体についても同様とする。
(1) 議員が、その経営方針又は主要な取引に関与している企業
(2) 議員が、資本金その他これに準ずるものを出資している企業
(3) 議員が、報酬(顧問料等その名目を問わない。)を受領している企業
3 議長は、対象議員から釈明等のための説明会の開催を求められた場合及び第1項の請求を受理した場合は、別に規則で定めるところにより、当該説明会を開催しなければならない。
4 対象議員は、前項の説明会に出席しなければならない。
5 選挙権を有する町民は、別に規則で定めるところにより、第3項の規定により開催された説明会に出席し、対象議員に質問することができる。
(町民の責務)
第6条 町民は、自らも主権者として、公共の利益を実現する責務を負うものであるとの自覚をもち、議員に対し次に掲げる働きかけを行ってはならない。
(1) 工事等及び下請工事に係る特定の業者の指名又は選定等の依頼
(2) 町職員(臨時及び嘱託職員等を含む。)の採用、昇格、異動に関しての推薦又は紹介の依頼
(3) 飲食の供与等社会通念上疑惑をもたれるおそれのある行為
(町の請負契約に関する遵守事項)
第7条 第4条第1項第7号に該当する議員は、責任を持って関係者又は関係企業の辞退届を提出しなければならない。ただし、災害等で緊急を要するときはこの辞退届に関わらず町との請負契約等を締結することができる。
2 前項の辞退届は議員の任期開始の日から、30日以内に議長に提出するものとする。
3 議員にかかる辞退届については、議長はその写しを町長に送付しなければならない。
4 議長は、前2項の規定による辞退届の提出状況を速やかに公表しなければならない。
(調査請求権)
第8条 町民は、議員がこの条例の規定に違反する疑いがあると認めるときは、規則で定める資料を添え、選挙権を有する者の50人以上の連署とともに文書で議長に調査を請求することができる。
2 議員は、議員がこの条例の規定に違反する疑いがあると認めるときは、規則で定める資料を添え、議員定数の6分の1以上の連署とともに文書で議長に調査を請求することができる。
(審査会の設置及び調査の依頼)
第9条 議長が前条の規定により調査の請求を受けたときは、直ちに上郡町議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、その書面の写しを添えて速やかに調査を依頼しなければならない。
2 審査会の委員は6人とし、地方自治の本旨に理解があり、かつ政治倫理等の審査に関し専門的知識を有する者並びに選挙権を有する町民で、公募に応じた者のうちから、議長が議会運営委員会に諮って選任し、公募に応じる者が定数に満たない場合は議会で協議し選任する。ただし、第8条での請求者は、審査会の委員にはなれない。
(1) 学識経験者3名(町民代表)
(2) 議員3名(上郡町議会議員)
3 審査会の委員は、審査会が調査請求の審査結果を議長に報告したときは、解任されるものとする。
4 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
5 審査会の組織、運営等については、別に規則で定める。
(審査会の調査)
第10条 審査会は、第8条の規定による審査を求められたときは、60日以内に調査結果報告書を議長に提出しなければならない。
3 審査会は、審査請求書を提出した請求代表者から事情を聴取し、資料の提出を求め、又は町民その他関係人を参考人として出席させ、意見を聴くことができる。
4 審査会は、審査を請求された当該議員に出席を求め、弁明の機会を与えなければならない。
5 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員定数の4分の3以上の同意を必要とする。
(議員の協力義務)
第11条 対象議員は、審査会から要求があったときは、審査に必要な資料を提出し、又は会議に出席して意見を述べなければならない。
(虚偽報告等の公表)
第12条 議長は、審査会の報告書において、対象議員、対象議員の配偶者又は2親等以内の親族、それ以外の同居の親族から虚偽の報告を受け、又は調査に協力しなかった等の指摘があった場合は、その旨を公表しなければならない。
(審査結果に対する措置)
第13条 議長は、審査会から報告を受けた事項を尊重し、この条例の規定に違反したと認められる対象議員に対して、議会の名誉と品位を守り、町民の信頼を回復するため、議会運営委員会に諮り次に掲げる措置を講ずることができる。
(1) 対象議員の辞職勧告決議案を提出すること。
(2) この条例の規定を遵守させるための警告を発すること。
(3) その他必要と認めること。
3 議長は、第1項に掲げる措置を講じたときは、その旨を公表するものとする。
(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)
第14条 議員が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条に定める贈収賄罪その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)による起訴後、引き続きその職にとどまろうとするときは、町民に対する説明会の開催を議長に求めなければならない。この場合において、当該議員は説明会に出席し、釈明しなければならない。
2 町民は、前項の説明会が開催されないときは、有権者の50人以上の署名をもって、起訴の日から起算して50日以内に議長に説明会の開催を求めることができる。
3 町民は説明会において、当該議員に対して質問することができる。
4 説明会の開催及び運営についての手続きは、あらかじめ議長が定める。
(議長職務の代行)
第15条 議長が審査の対象になったときは副議長が、議長及び副議長が審査の対象になったときは最も期数の多い年長の議員が、この条例に規定する議長の職務を行う。
(手続きの終了)
第16条 この条例に規定する議員に関わる手続きは、当該議員が辞職又は失職したときは、終了するものとする。
附則
(施行期日)
この条例は、平成23年4月1日から施行する。
附則(平成23年12月15日条例第20号)
この条例は、公布の日から施行する。